甘栗は、やさしい甘みとこうばしい香りで人気のある食品です。甘栗には、健康維持に貢献する栄養素が豊富に含まれています。
この記事では、甘栗の栄養成分から健康への様々な効果、日々の摂取における適切な量やタイミングについて詳しく解説します。甘栗を楽しみながら健康的な生活を目指しましょう。
甘栗の栄養素と健康効果
甘栗の主要な栄養成分
甘栗とは、中国原産の天津栗(小粒で渋皮のむきやすい種類)を、小石まじりの砂に糖分を加えて攪拌しながら焼いたものです。
甘栗は、食物繊維、葉酸、カリウム、ビタミンB6、ナイアシンなどを含んでいます。
- 食物繊維
- 葉酸
- カリウム
- ビタミンB6
- ナイアシン
食物繊維 | 便秘解消や腸内環境改善に効果があります。 血糖値の上昇を抑制する効果もあります。 |
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葉酸 | 細胞分裂やDNA合成に関与する栄養素です。 妊娠中の女性に必要な栄養素です。 |
カリウム | 体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。 むくみや心臓病の予防に効果があります。 |
ビタミンB6 | たんぱく質の代謝に関与する栄養素です。 皮膚や粘膜の健康維持に効果があります。 |
ナイアシン | エネルギー代謝に関与する栄養素です。 皮膚や粘膜の健康維持に効果があります。 |
甘栗の栄養成分表(日本食品標準成分表より)
以下は日本食品標準成分表2020年版(八訂)による栄養素一覧です。
- 可食部100g当たり
- 廃棄部位: 殻(鬼皮)及び渋皮
食品名 | 甘栗 |
---|---|
エネルギー(KJ) | 875 |
エネルギー(Kcal) | 207 |
水分(g) | 44.4 |
アミノ酸組成によるたんぱく質(g) | (4.3) |
たんぱく質(g) | 4.9 |
脂肪酸のトリアシルグリセロール当量(g) | (0.9) |
コレステロール(mg) | (0) |
脂質(g) | 0.9 |
利用可能炭水化物(単糖当量)(g) | (43.9) |
利用可能炭水化物(質量計)(g) | (40.2) |
差引き法による利用可能炭水化物(g) | 40.6 |
食物繊維総量(g) | 8.5 |
糖アルコール(g) | – |
炭水化物(g) | 48.5 |
有機酸(g) | – |
灰分(g) | 1.3 |
ナトリウム(mg) | 2 |
カリウム(mg) | 560 |
カルシウム(mg) | 30 |
マグネシウム(mg) | 71 |
リン(mg) | 110 |
鉄(mg) | 2.0 |
亜鉛(mg) | 0.9 |
銅(mg) | 0.51 |
マンガン(mg) | 1.59 |
ヨウ素(μg) | 0 |
セレン(μg) | 1 |
クロム(μg) | 0 |
モリブデン(μg) | 1 |
ビタミンA|レチノール(μg) | (0) |
ビタミンA|α-カロテン(μg) | 33 |
ビタミンA|β-カロテン(μg) | 52 |
ビタミンA|β-クリプトキサンチン(μg) | 0 |
ビタミンA|β-カロテン当量(μg) | 68 |
ビタミンA|レチノール活性当量(μg) | 6 |
ビタミンD(μg) | (0) |
ビタミンE|α-トコフェロール(mg) | 0.1 |
ビタミンE|β-トコフェロール(mg) | Tr |
ビタミンE|γ-トコフェロール(mg) | 12.0 |
ビタミンE|δ-トコフェロール(mg) | 0.2 |
ビタミンK(μg) | 0 |
ビタミンB1(mg) | 0.20 |
ビタミンB2(mg) | 0.18 |
ナイアシン(mg) | 1.3 |
ナイアシン当量(mg) | (2.2) |
ビタミンB6(mg) | 0.37 |
ビタミンB12(μg) | (0) |
葉酸(μg) | 100 |
パントテン酸(mg) | 0.57 |
ビオチン(μg) | 6.0 |
ビタミンC(μg) | 2 |
アルコール(g) | – |
食塩相当量(g) | 0 |
甘栗の栄養素と健康に対するポジティブな影響
甘栗は、食物繊維、カリウム、ビタミンB群など、健康維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。具体的には以下のような健康効果が期待できます。
- 便秘解消・腸内環境改善
- 血圧降下・むくみ防止
- エネルギー代謝・疲労回復
- 便秘解消・腸内環境改善
-
甘栗に豊富に含まれる食物繊維は、便秘解消や腸内環境改善に効果があります。食物繊維は、便の量を増やし、腸のぜん動運動を促進することで、スムーズな排便を促します。また、腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やす効果もあります。
- 血圧降下・むくみ防止
-
甘栗に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。また、むくみや心臓病の予防にも効果があります。
- エネルギー代謝・疲労回復
-
甘栗に含まれるビタミンB群は、エネルギー代謝に関与し、疲労回復効果があります。また、集中力や記憶力向上にも効果があります。
甘栗は、健康維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。ぜひ、毎日の食生活に取り入れてみてください。
甘栗とダイエット
甘栗は、100g当たりカロリーが207kcal、糖質40gと高く、ダイエット中の摂取には注意が必要です。しかしGI値は60と中間程度と言えます。また、食物繊維も豊富なので必ずしもダイエットに不向きとも言えません。
ここでは、ダイエットと甘栗の関係について解説します。
甘栗のカロリーと糖質
甘栗は1粒あたり約10kcal、100gで207kcalと、カロリーは高めです。市販の甘栗製品はさらにカロリーが高い傾向にあります。
糖質も100gあたり約40gと高く、糖質制限ダイエットをしている場合は特に注意が必要です。
甘栗のGI値とダイエット効果
甘栗のGI値はそれほど高くなく、食後の血糖値の急上昇を抑えるため、肥満や糖尿病のリスク軽減に役立ちます。
豊富な食物繊維は腸内環境を整え、消化を助ける効果もあります。
噛み応えがあるため、少量で満足感を感じやすく、食欲をコントロールするのに役立ちます。
コレステロール対策に対する効果
甘栗は、コレステロール値を下げる効果があると言われています。その理由は、以下の通りです。
食物繊維の役割
甘栗は食物繊維が豊富で、これが腸内環境の改善や便秘予防に役立ちます。さらに、食物繊維にはコレステロールの吸収を減らす効果もあり、特に水溶性食物繊維はLDL(悪玉)コレステロールを減らすのに効果的です。
カリウムの効果
甘栗はカリウムを多く含んでおり、これが血圧の調整や心臓健康のサポートに貢献します。適量のカリウムはコレステロール管理にも有効であるため、甘栗の適度な消費は健康維持に役立ちます。
不飽和脂肪酸の効果
甘栗には、不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果があります。
甘栗は、糖質も多く含んでいます。食べ過ぎると、血糖値を上げ、糖尿病のリスクを高める可能性があります。
血糖値への影響
甘栗は、ご飯やパンと比べてGI値が低めです。栗自体のGI値が60であるため、加工された甘栗はそれよりも若干高いGI値を持つと考えられます。
GI値60以上の食品
穀類・パン・麺類 | フランスパン93、食パン91、精白米88、ビーフン88、もち85、うどん85、そうめん80、赤飯77、コーンフレーク75、パスタ(乾麺)65 |
野菜類 | ジャガイモ90、ニンジン80、山芋75、とうもろこし70、長いも65、かぼちゃ65、里芋64、栗60 |
甘栗には糖質が豊富に含まれているため、大量に摂取すると血糖値が急上昇するリスクがあります。特に、空腹時に多く食べると血糖値の急激な上昇が見られやすいため、注意が必要です。
これを踏まえると、甘栗を食べる際には量を適切に管理し、過剰摂取を避けることが大切です。血糖値の管理が必要な方や糖尿病患者の場合は、甘栗の摂取については注意が必要です。
毎日の甘栗摂取と理想的な摂取量
甘栗はその美味しさと栄養価の高さで知られていますが、その摂取量には注意が必要です。ここでは、甘栗を適度に楽しむためのポイント、適切な摂取量とバランスの良い食生活について紹介します。
摂取量について
甘栗はカロリーと糖質を含むため、摂り過ぎは体重増加や血糖値上昇の原因となることがあります。一般的に、1日に10粒程度の甘栗を楽しむことが適切とされています。
摂取のタイミング
おやつやデザートとして甘栗を楽しむのがおすすめです。食事の前に少量を摂ることで、食事量の調節に役立つ場合もあります。
栄養バランスを考える
甘栗だけではなく、野菜、たんぱく質、その他食物繊維を含む食品とのバランスを意識することが重要です。
カロリーと糖質の具体的な数値
甘栗100g当たり約207kcal、糖質は約40gとなっています。100gだとだいたい15~20粒ほどの量になります。
適量を心掛けることで、甘栗を含むバランスの取れた食生活を送ることが可能です。適切な量の甘栗を楽しみつつ、健康的なライフスタイルを維持しましょう。
甘栗の栄養素と健康効果まとめ
甘栗は、食物繊維、葉酸、カリウム、ビタミンB6、ナイアシンなど、体に良い影響を与える栄養成分をバランス良く含んでいます。
ダイエット支援、コレステロール対策など、健康へのポジティブな効果が期待できる一方で、過剰な摂取は避け、バランスの取れた食事の一部として甘栗を取り入れることが重要です。
この記事が、甘栗の栄養価をフルに活かして、健康的なライフスタイルを送るお手伝いになれば幸いです。